エネルギー革命！? EVの次は蓄電池！ テスラ(Tesla) 新蓄電池 7kWh 36万円の性能とは？ (Powerwall Home Battery)

詳細情報 :  teslamotors.com

4/30日に、EV(電気自動車)のテスラモーターズ社のCEOイーロン・マスクは、「Tesla Energy」という新しい事業部門を発表しました。

今回発表されたテスラの家庭用の新蓄電池(バッテリー) 7kWh 3000ドル(日本円で約36万円)の性能とその可能性について迫ります！

テスラエネルギーの事業目標は、商用の電力依存を改めて太陽光発電の太陽エネルギーをテスラの蓄電池に蓄えて利用することで、再生可能エネルギーに切り替えようという新プロジェクトです。

CO2問題

再生可能ではない発電所によって、現実のCO2排出量はこのように増え続け、環境破壊を引き起こしています。テスラはEVや関連企業の太陽パネルの事業でCO2問題に取り組んできました。

再生可能エネルギーの課題

2014年のアメリカ合衆国で使われているエネルギーマップはこのように太陽光発電と風力発電などの再生可能エネルギーはオバマ政権によってかなり増えつつあります。

【問題1】太陽パネルの問題として、太陽が出ているときにしか発電できない問題点がありました。
【問題2】不安定な発電の太陽パネルで発電したエネルギーを蓄えて、発電できない夜間もフラットに使うために蓄電池は欠かせませんが、これらの問題点がありました。

(Expensive, Unreliable, Poor Integration, Poor Lifetime, Low Efficiency, Not Scalable, Unattractive)
高価, 信頼性, 規格の問題, 寿命が短い, 低効率, 拡張性, 魅力

テスラはこれらの問題の根本から見直して新しい蓄電池を作りました。

パワーウォール・ホーム・バッテリーとは？

テスラエネルギーのはじめての商品「パワーウォール・ホーム・バッテリー(Powerwall Home Battery)」は家庭で使用する電力を商用電力なしで利用できる据え置き型の、テスラの既存のバッテリー技術でつくられたリチウムバッテリーの蓄電池です。

壁に取り付けてとても自然でコンパクト、美しいデザインです。
このように、屋外に取りつけることで、室内のスペースを邪魔することなく所有する事ができます。

同社は、世界の蓄電池大手であるパナソニック社と共同でアメリカ・ネバダ州に50億ドル(日本円で約0.6兆円)を投じてEV向け蓄電池を生産する巨大な量産工場を2016年稼働を目指して建設中です。

パワーウォールホームバッテリー2種類のモデル比較

モデルは、① 10kWh/3500ドル ② 7kWh/3000ドル。(インバーターや設置費用を除く)

並列で最大9個接続で大量に消費する事務所にも対応できるようです。

サイズ :  130cm × 86cm × 18cm

従来の鉛蓄電池のカーバッテリー・家庭用リチウム蓄電池との比較

12V 30ahの1万円のバッテリーだと360wh。

パワーウォール・ホーム・バッテリーは、7kWh。

鉛電池のカーバッテリーと比較すると約19個分で19万円相当ですが、今までに発売されている日本の家庭用のリチウム蓄電池と比較すると補助金なしで130万円台中盤で、補助金を適応すると80万円だったので、補助金なしで考えると約1/4のコストダウンで、補助金を入れた状態でも半額以下になっています。

品質保証

上のスペック表では、両方ともに10年の商品保証？と記載されていますが実際にそうだとかなりのコストパフォーマンスだと思います。

iPhoneは3年で約70％に充電可能量が下がると言われています。

日産リーフのEVの蓄電池はアメリカでは8年保証があり、5年経過後に80%の残量とされています。

今回テスラは、信頼性,規格の問題,寿命が短い,低効率これらの問題に取り組むといっていますから10年保証でバッテリー消耗がかなり抑えられているのかもしれません。

実際に10年つかえるとすると経年劣化の目減りがあると思いますが、7kWhのタイプで 3000円/月(工事費含まず)で使えるとしたら凄いことだと思います。

今後のパワーウォールの構想

マスク氏の構想によると1億6000万台のこの蓄電池があるとアメリカ全体が再生可能エネルギーに移行できると言うことです。

発売日はアメリカから今年の夏から、早くて3カ月後からスタートです。

日本での発売も検討されている事で、まだ日本に入ってくるまでは時間がかかるかと思いますが。

太陽パネルと組み合わせた蓄電池で、深夜電力も賄う取り組みや、今後ＥＶが安くなれば車にチャージするホストとして機能する可能性を秘めています。

EVとの相性は？

テスラ、パワーウォールバッテリーの利便性の一つとして、太陽パネルで発電した電気をパワーウォールに溜め、それをさらにEVへの充電する事です。

太陽パネルで発電した電気を家庭で使う分とは別に、EVに無駄なく利用する事が出来きそうです。

日産リーフとの比較

画像引用元 :  nissan.co.jp

電気自動車の世界累計販売台数が17万2000台でトップを走り続ける、日産リーフ。

現在のスペックは、アメリカの最安値で15200ドル(約180万円)で本体におけるバッテリーコストが高いことで知られています。

・ バッテリー容量 :  24kWh 航続距離228km

パワーウォールと比較すると10kWh 約2.4個ですね。そこにEV特有のパーツによってコストが乗っていくのかもしれません。

このように3年前は高かったEV自体も、普通車を買う値段とあまり変わらなくなってきています。(中古車だと60万円台からあります。)

日産リーフとパワーウォールに使われている電池との直接の互換性はないと思いますが、今回着工されたギガファクトリーのバッテリー量産工場でEV市場全体のバッテリー価格が下がって行くと良いですね。

家庭レベルで電力自給率は上がる？

「原子力・エネルギー」図面集2012によると、1世帯あたりの1日の電力使用量は約10kWhです。
画像引用元 ：  原子力・エネルギー図面集 2015

戸建ての太陽パネル4Kw 約120万円タイプ(相場1Kw 30万円で計算・設置工事費、等除く)の平均は月に300kWh発電するので 太陽光で発電した一日10kWhをテスラの蓄電池に充電をして利用すると、太陽パネルと蓄電池の設備コストがかかりますが、家庭レベルで発電所になりエネルギー自給率が圧倒的なものになるのが分かるかと思います。

防災・被災用の蓄電池

日本は地震大国で、停電などのリスクがあります。

家庭用蓄電池のテスラ、パワーウォールはそういったもしもの電源として活躍できる可能性があります。(常に一定の充電は必要ですが。)

いままで蓄電池が高かったのでなかなか準備ができなかったですが、今回のコストダウンで一般家庭の防災用の家庭用バッテリーとして現実的な価格帯になってきましたので、需要が高まってくるのではないでしょうか。

特に、太陽パネルやEVを既に持っている人に魅力的だと思います。

まとめ (未来のバッテリーとして期待)

今回発表されたパワーウォールの蓄電池は、太陽パネルやEVと組み合わせて使うと高いエネルギー効率が得れることが分かりました。

家庭で産み出されるエネルギーをどう効率的に管理するかの選択肢をテスラ、パワーウォールは与えて、個人がエネルギーを管理する楽しさがあると思います。

早くてアメリカから3カ月後から発売されるので、実際に稼働させたときのパフォーマンスは本当に発表通りのものなのかをチェックしていきたいと思います。

まだ日本での発売がされていませんが、これから太陽パネルを購入検討をされている方は、今後家電量販店の蓄電池のセット販売や普及台数によるコストダウンも考えて導入時期を考えたほうがよいのかもしれません。

これを機会にEVもノートパソコン・スマホのバッテリーも専用の自社工場で量産してコストダウンされていくと良いなと思います。

テスラ社のパワーウォールバッテリーは、家庭レベルでエネルギー環境をつくる可能性を持った非常にたのしみな内容ですね！